こんにちは!0~8歳のお子さんを対象としたおうち英語の始め方や進め方などをまとめたサイト『おうち英語の教科書』を運営している佐藤ニコです。
ニコちゃん、こんにちは~!
早速相談があるんだけど、良いかしら?
この前ね、私もニコちゃんの話を聞いておうち英語を始めたいなぁ、と思って夫に相談したの。
そしたらね、『最近は小学校から英語の授業あるんでしょー?学校の授業が始まってからで十分なんじゃないの?』って言われちゃって・・どうして小さい時から英語を始めたほうが良いのか上手く説明できなくて。
なるほど。
それでね、今日はね、どうやって説明すれば良いか教えて欲しいのよ!
わかりました!私にお任せください‼
えっ?誰?
あっ、先生こんにちはー!
私が時々相談に乗ってもらっている英語の先生です。
そうなのね、びっくりしたわ~。
先生、ママさんにしっかりご説明お願いします!
お任せください!
では、早速いってみましょう‼
日本人が英語を習得するのが難しい理由
『中学校から急に英語が始まって、文法とかもう全然わからなくて、今でも英語は苦手です・・』そう思われていませんか?
英語と日本語は以下のような点で大きく異なります。
- スペルと発音が一致しない
- 発音が難しい
- リズム
- 文法
- 周波数
①スペルと発音が一致しない
<日本語>ひらがなとカタカナは『スペル=発音』
<英語>アルファベットは『スペル≠発音』
例)aの音を発音記号であらわすと【ei】【ə】【ɒ】【ɑ:】【æ】の5種類
このように一つのアルファベットでいろいろな音があります。
②発音が難しい
日本にはカタカナ英語がたくさんあります。
例)オレンジ、リスニング、ナイフetc…
それに絵本などでも、英語の下にカタカナで発音が書いてあるものがたくさんあります。
これらをみて英語の発音を覚えていると、正確な発音ができなくなってしまいます。
③リズム
日本語には日本語の、英語には英語のリズムがあります。
④アクセントとイントネーション
英語は日本語と比較するとアクセントとイントネーションがとても強い言語です。
⑤文法
I don’t like apples.
私はリンゴが好きではありません。
このように語順が根本的に異なります。
⑥周波数
<日本語>125~1,500ヘルツ
<アメリカ英語>750-5,000ヘルツ
<イギリス英語>2,000-12,000ヘルツ
周波数が異なるので、耳が慣れていなければ聞き取ることができません。
このように日本語と英語は構造やリズムが全く異なるので、日本人にとって英語は習得するのが難しい言語であるといわれています。
では、乳幼児期から英語を取り入れた場合はどうでしょうか?
次は、乳幼児期から英語を取り入れるメリットについてお話します。
乳幼児期から英語を始めるメリット
英語をインプットする時間が十分にある
乳幼児期の間は、家で過ごす時間が長く他に宿題をしたり、部活をしたりする必要もないので、自宅でのんびりと英語を取り入れることができます。
勉強という意識が芽生える前に自然と身につけることができる
英会話教室などで歌やダンスで楽しく英語に触れていても、中学校に入り、突然英語を『文法』で学び始めるとたちまち英語が嫌になってしまう子がいます。
勉強としての英語が始まるまでに、『いつのまにか英語で会話ができるようになった』『気づけば英語の本を読んでいる』という状態であれば、学校の授業をストレスなく受けることができます。
現行の学校教育の英語のカリキュラムでは、『世界に通用する英語』を学ぶことができない
これは実感されている人も多いのではないでしょうか?学校の試験勉強はしっかりしていたはずなのに、思うように英語で話すことができない、言葉が出てこない。
残念ながら、現段階では日本の英語教育は諸外国と比較するとずいぶんと遅れているため、授業を真剣に受けたとしても『世界で通用する英語力』を身につけることはできません。
(イマージョン教育といって英語で社会や理科の授業を行う学校など一部の例外もあります)
詳しく知りたい方は、以下の書籍がおすすめです。
国を揚げて英語力を伸ばしている韓国や中国の政策が書かれています。(日本は他のアジアの国々と比較しても10~20年遅れています)
中学・高校時代に自分が興味のあることや好きなことに時間を充てられる
大学受験に必要なレベルの英語を早期に身につけることができれば、他の子たちが英語の勉強をしている間に自分が興味のあることや好きなことに時間を充てることができます。もちろん他の教科の勉強に充てることもできます。
脳内に英語を処理するための回路が出来る確率が高くなるので、バイリンガルになる可能性が高くなる
ある研究結果によると『生まれたばかりの赤ちゃんはどの言語にも反応するが、ある時期になるとそれまで聞いていなかった言語に対して反応しなくなる』という結果が出ています。(このことについては下記の記事に詳しく書いています)
>>【おうち英語】早期英語教育は意味がない?それどころか弊害が?!始めるならいつ?
バイリンガルには、同時性バイリンガル(日本語も英語も第一言語)と後続性バイリンガル(英語は第二言語)の2種類あり、乳児期から英語を始める場合は、前者を目指すことができます。(※このことについての詳細は下記の本に詳しく載っています)
つまり、乳児期から英語に触れていると英語も第一言語として学ぶことができる可能性があるということです。
>>早期英語教育のメリット・デメリットについてもっと詳しく知りたい方はこちら
乳幼児期から英語を取り入れたほうがいい理由は納得いただけましたでしょうか?
では、次に乳幼児期から英語を取り入れるうえで、知っておいたほうがいいことをお伝えします。
英語の学習方法は2パターンに分けられる
母国語方式(=直接法)
日本語は日本語のまま、英語は英語のまま理解する方法。英語を第一言語として習得する。
母国語方式ではない(=間接法)
英語を日本語に訳してから理解する方法。英語を第二言語として習得する。
どちらのほうが英語を習得しやすいでしょうか?
皆さんが日本語を話せるようになった時のことを思い出してみてください。何か苦労をした経験はありますか?
では、英語はどうでしょうか?勉強として頑張ったけど、話せない、なんてことはありませんか?
乳幼児期から英語を取り入れるなら、母国語方式(=直接法)
乳幼児期から始めれば、母国語と同じように英語を学ぶことができるのです。
では、実際にどのようなことに取り組めばいいかお話ししていきます。
母国語方式で学ぶことができる環境を整える
英語を話す両親のもとに生まれた英語圏の乳幼児と同じ環境を作り出すことが出来れば日本で生まれた乳幼児も母国語方式で英語を習得することが可能です。
乳幼児は日本語でも英語でも下の表のような過程(※個人差あり)を経て徐々に習得していきます。
乳幼児は、胎児の頃からリスニング力を鍛え、やがて話せるようになり、文字を書く事にも興味を持ち、やがて文字を読み始めます。
モンテッソーリ教育においては、敏感期といわれる時期ですね。
日本人の子どもが自然と日本語を話せるように、英語においても英語圏と同じ状況を作り出すことができれば乳幼児は自然と英語を話せるようになります。
英語での語りかけやマザーグースなどを日常生活に取り入れていると、遅かれ早かれ子供は英語は話し始めます。
ただこの段階で安心してしまうとその後伸び悩む可能性があります。
では、何が大切なのでしょうか?
それは、『読み書き』につなげるということです。
『話す』⇒『文字を書く』『文字を読む』ようになるという過程の間には、壁があります。
適切な教育を受けなければ、読み書きはできるようにならないのです。
日本語と英語の違い
英語の特徴 |
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日本語の特徴 |
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覚えないと書けない・読めない!
日本語の”漢字“と同じですね。
乳幼児の英語の学習方法
ここからは、英語圏の子どもを参考に、具体的にどのように取り組みを進めていけばいいかお話しますね。
リスニング
上記の図のようなものを聞かせてあげると良いですね。
日本語の歌を赤ちゃん~幼児に聞かせるときと同じですね。
スピーキング
英語で話す、ということを繰り返して身につける
リーディング
徐々にフォニックス読みを覚えていきます。
フォニックスはルールが複雑なので、アメリカの学校でも4~5歳頃からスタートします。
フォニックス(英: Phonics)とは、英語において、綴り字と発音との間に規則性を明示し、正しい読み方の学習を容易にさせる方法の一つである。英語圏の子供や外国人に英語の読み方を教える方法として用いられている。
引用:wikipedia
ライティング
ひらがなと違って、英語は発音できたからといってスペルを書けないのが難点です。
徐々に勉強の要素が必要になってきます!
日本にいながら母国語方式で英語を学ぶために必要なもの
母国語方式で学べる環境を作るためには以下のようなツールが必要です。
リスニング力をつける
- CD(CDの代わりにYoutubeなどを音源として利用することも可能)
DVDなどの映像は子どもが食いつきやすいので、たまに使用するのは良いです。
ただ、リスニング力をつけるには、聴覚刺激のみを与えることができる音のみの方が有効です。
英語の音を聞くことによって英語の特有のリズムやアクセントやイントネーションを覚えます。
スピーキング力をつける
- オンライン英会話や英会話スクール
- 英会話カフェ(例えば、都内だと・・月額税込み3,278円から通い放題の英会話カフェLanCul など)
- サマースクール
- ホストファミリー
- 英語村
- 国際交流サークルや英会話サークル
- アプリ
なかなか英語の発語がないという場合は、インプットがまだ足りていないかもしれません。英語の音をたくさん聞かせてあげましょう。
スピーキング力を伸ばすには、実際に話をする機会を増やすことが一番の近道です。
リーディング力をつける
- 絵本(親が英語が得意でない場合は音源付きのものがおすすめ)
- 英語多読サイトやアプリ
リーディング力をつけるとライティング力も伸びます。
読書のメリットについては、あらゆるところで示されていますよね。
ライティング力をつける
英単語はスペルを覚えていなければ書けないので、『英単語をかける⇒文章を書ける』という風にレベルアップする必要があります。
日本にいながら、英語圏の子供たちと同じように英語を習得する方法についてお伝えしました。
では、最後に乳幼児期からおうち英語を始めた家庭が目指したいゴールについてお話します。
乳幼児期からおうち英語を始めた家庭が目指したいゴールは?
結論から申し上げますと、『リーディング力・読解力』を身につけられたら、大成功です。
読解力を手に入れる
スピーキングができるようになったからといって、英語の取り組みをやめてしまうと、日本で生活する環境であれば、次第に英語から離れるにつれて、英語力はまるで消えてなくなってしまったかのように影をひそめるのです。
参考:子どもが英語を話しだす
『影をひそめる』つまり、頭のどこかには残っているので、もちろんそれまでにやってきたことは無駄にはなりません。
ただ、そうなってしまうと感覚を取り戻すのに時間もかかるし、もったいないですよね?
読解力をつけることができれば、洋書を楽しめるようになるので、日本語だけの環境にいても本を読むことで英語力は維持されるというわけです。
なるほど。
そして、現在の日本の英語教育で行われている読解の方法は、『英語の文章を和訳し、日本語の読解力を使って内容を理解する』というなんとも回りくどい方法です。
しかし、乳幼児期から英語に取り組んでいると、『英語の文章を英語のまま理解する』ことができるようになります。
英語を英語のまま理解する・・そんなことができたら、素晴らしいわね。
リーディング力の向上はライティングにもつながりますし、読書はいろいろな知識を与えてくれます。
まとめ
なるほどね。
乳幼児期は右脳が優位(無意識に周りの環境をそのまま吸収することができる)だから、言語の学習にも向いているのね。
そうなんですよね。
大人になってからでも英語を学ぶことは可能ですが、正直大変ですし、ネイティブのようにはなれません。
あと『読解力』ね。英語の文章を英語のまま理解できるようになると、洋書を読むのも楽しそうで良いわね。
私が洋書を読もうと思ったら、辞書を引いて日本語に訳しながら・・・・大抵途中で嫌になっちゃうわ。
その気持ちわかります・・
乳幼児は言語の学習能力が非常に高いので、ネイティブのように英語を聞く環境と英語で話す環境があれば、英語で発語したり、会話したりすることは比較的容易にできるようになります。
ただ、英語は話せるようになっても、その後英語を使わなければ忘れてしまいます。
だから、英語を忘れないように本を読めるレベルまで上げておく必要があるんですよね。
洋書が読めるようになっていると、いつでも英語に触れられるものね。
おうち英語のゴールも見えたし、乳幼児期から始めるメリットも教えてもらったから、家に帰って早速夫に説明してみるわ。
そういえばデメリットってあるのかしら?日本語が遅れるとか?
それはよく議論されることですが、相当極端な環境(両親が英語で話しかけ続けるなど)でない限り、日本にいる環境では、日本語に影響はないといわれていますよ。(※参考:世界で活躍する子の英語力の育て方)
先生、ありがとうございました!
ちょうど先生が来てくださって助かりました。
また困ったら相談に乗ってくださいね。
先生とニコちゃん、どうもありがとう。
とっても勉強になったわ!
今の時代、英語ができると、世界中の情報を自分で手に入れることができるのでとても大きな財産になると思いますよ。
そして一番大切なことは、英語を使って、自分の考えや意見を言えること。
これからの時代は、ますますこのような能力が必要とされます。
『英語は親から子供への最高のプレゼント』です。
とはいっても、『まだまだ不安だわ』という方は↓の記事をご覧ください。不安や疑問を解決してくれる書籍をご紹介しています。
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