突然ですが、14歳でプロ棋士となり、次々と最年少記録を更新している藤井聡太三冠やマイクロソフトの創業者のビル・ゲイツ、Googleの創業者であるラリー・ペイジとセルゲン・ブリン、Facebookの創業者であるマーク・ザッカーバーグなど名だたる著名人の共通点をご存じですか??
それは、『幼少期にモンテッソーリ教育を受けていた』ということです。
これを聞くと、
モンテッソーリ教育ってすごくない?!
モンテッソーリ教育を受けると、世界で活躍する子供になってくれるのでは??
モンテッソーリ教育って何?どんなことをするの??
と思いませんか?
だは、早速モンテッソーリ教育についてお話していきますね。
【モンテッソーリとは簡単に】モンテッソーリ教育って何?特徴は?
モンテッソーリ教育とは
イタリア初の女性医師であるマリア・モンテッソーリによって確立された教育法です。精神病院の医師として勤めている中で、知的障害がある子供たちに指先を動かして感覚的な刺激を得られる玩具を与えることで、知能が向上するということを発見しました。
健常児の教育にも利用できると考えた彼女は「子どもの家」と言われる施設をつくり、そこで実際に健常児に感覚教具を与え、そこでも大きな功績を残しました。
その後も哲学や生理学、精神医学の研究にも没頭し、モンテッソーリ教育を確立させていきました。
1929年に国際モンテッソーリ協会を設立し、教師の資格取得制度を設けました。日本では、東京国際モンテッソーリ教師トレーニングセンターと日本モンテッソーリ協会が教員の養成をおこなっているようです。
また、日本でモンテッソーリ教育というと幼児期だけに行うものだと思われがちですが、モンテッソーリ教育は、本来大人になるまでの24年間を6年ごとに分けて「発達の四段階」としています。
日本では、モンテッソーリ教育を行う幼稚園は全国にありますが、小学校は関東に2校ほどしかないようです。そのうち一校は認可外なので、日本でモンテッソーリ教育が幼児期だけだとイメージがあるのもそういうことが原因かもしれませんね。
モンテッソーリ教育の3つの柱
- 子どものことをよく知る
- 子どもをよく観察して見守る
- 環境を整え、必要な時だけ助ける
モンテッソーリ教育で大切なのは、この3つです。
親や教師は必要以上に手を出さずに見守ることがもとめられます。
なんだ、そんなことか!と思いますが、親もやらないといけないことがあったり、予定がある中で「見守る」ということはとても忍耐と根気がいることです。
マリア・モンテッソーリは「子どもはすべてのことができるように生まれてくるのです。もしできないことがあるとすれば、物理的に不可能な環境にあるか、どうすればいいのか、やり方がわからないだけなのです」という言葉を残しており、子どもは環境さえあれば、できないことはないという考えを基にしています。
モンテッソーリ教育の目的
「自立していて、有能で、責任感と他人への思いやりがあり、生涯学び続ける姿勢を持った人間を育てる」ということを目的としています。
子どもがこんな人間に育ってくれたら、最高ですよね…!
敏感期とは
「子どものことをよく知る」ということは、モンテッソーリ教育の3つの柱のうちの一つですが、子どものことをよく知るために必要なことがあります。
それが敏感期というものがあるということを知ることです。
では、敏感期とは、何でしょうか?もう少し詳しくお話していきます。
敏感期について
『0から6歳までの間にだけみられる、子どもが何かに強く興味を持ち、集中して同じことを繰り返す、ある限定された時期』のことです。
大きく分けると、以下の6つに分けられます。
- 秩序の敏感期
- 感覚の敏感期
- 社会的行動の敏感期
- 言語の敏感期
- 数の敏感期
- 運動の敏感期
では、それぞれについて説明していきます。
秩序の敏感期(6か月~4歳頃)
子どもは、世の中の仕組みを秩序づけて理解していくので、上記のようなものに強いこだわりを示します。
服を着る順番に強いこだわりがあったり、お友達に玩具を譲ることができなかったり、これらの秩序が乱れると機嫌が悪くなったりするのは、「秩序の敏感期」だからですね。
いわゆる「イヤイヤ期」と重なりますよね。いつもと同じ服が良い、お風呂はお母さんとしか入らない、いつもと違う椅子に座っていると怒る、どの食器が誰のものかをしっかり把握している・・などなど、我が子にも当てはまる点がたくさんあります。
今は、「秩序の敏感期」なんだなぁ、と思うと、なかなか大人だと理解できない子どもの言動も理解できるようになりますね。
感覚の敏感期(0~6歳頃)
3歳頃までは、いろいろなものを舐めたり、触ったり、見たりすることによって感覚的な印象をため込みます。3歳頃以降は、五感を使って分類や整理をし始めます。おもちゃを色ごとに分けたり、大きい順に並べたりする様子がみられます。
社会的行動の敏感期(4歳半頃~)
子どもは自分中心の世界から、徐々に「社会」というものに気づき始める時期です。
子どもにとっての最初の社会は家族です。家族というチームの一員として、子どもに接することで、子ども自身も「チームの一員」として自覚しやすくなります。
また、お手伝いをしてもらうことや、近所の人にあいさつすることなども社会的行動を身につけるための第一歩です。
言語の敏感期(0~5歳半頃)
- 生まれてから3歳ころまでは無意識的記憶という素晴らしい能力で、見たもの聞いたものをどんどん吸収する
- 3~5歳頃は書くことにこだわる
- 4~5歳半頃は読むことにこだわる
ある日突然、お子さんが絵本に書いてある文字を指さして、「これ何?」と尋ね始めたら、読む敏感期に入ったのかもしれませんね。
数の敏感期(3~6歳頃)
数字を読みたくて仕方がない、数を数えたくて仕方がない時期です。多い・少ないなどの量にもこだわります。
運動の敏感期(6カ月~4歳半頃)
机の上に登ったり、高いところからジャンプしたり、ティッシュペーパーを全部引き出したり、瓶やペットボトルを開けたり、ハラハラしたり、また散らかしてるー!なんて思うことありますよね。
それは「運動の敏感期」だからです。「指先を鍛えるんだよー」とか「体幹を鍛えるんだよー」と脳が指令を出しているので、叱ったって無駄なのです。
大人は叱る代わりに、子どもが思う存分体を使ったり、指先を使う環境を整えてあげる必要があります。そのためにモンテッソーリ教具がたくさん存在しています。
モンテッソーリ教具については、次の項目で説明します。
モンテッソーリ教具
モンテッソーリ教育は、知的障害をもつ子供たちに指先を動かして感覚的な刺激を得られる玩具を与えることで、知能が向上するということを発見したことから、始まっています。
モンテッソーリ教育において、教具は欠かせない存在ですね
では、モンテッソーリ教具の条件とは、どのようなものがあるのでしょうか??
モンテッソーリ教具の特徴
②美しく魅力的で、興味を引くもの
③単純で、一目で目的がよくわかるもの
④難しいポイントが一つだけに絞られているもの
⑤次の成長のステップにつながっているもの
⑥子ども自身が自分の間違いに気づけるようにできているもの
これらのような特徴を備えているもののことを言います。モンテッソーリ教具を敏感期に合わせて準備をすることで、子どもに適切な刺激を与え、知能を活性化することができます。
教具の使い方を説明するときは、特に言葉は必要なく、まずは使う指を子供たちに示し、ゆっくりと動きをみせることがポイントだそうです。
モンテッソーリ教育のメリット
- 自分のやりたいことを思う存分できるので、情緒が安定する
- 自分でやりたいことを見つけるので、自主性が育つ
- モンテッソーリ教具は自分で間違いに気づくことができるように作られているので、問題解決能力がつく
- 集中力がつく
- 手先が器用になり、脳が刺激され、知能が高くなる
- 縦割りクラスのところが多いので、社会性が身につく
これからは、個の時代と言われているので、自分の個性や得意なことに集中し、能力を伸ばすことによって、大人になってからも活躍する人に育つことができそうですね。
モンテッソーリ教育のデメリット
- 人に合わせることが苦手になることがある
- 集団行動が苦手になることがある
- 運動不足になり、ストレスになることがある
モンテッソーリ教育では、だれかと同じことを強要されたり、時間の制約をされたりということがないので、集団行動は苦手になりやすいといわれています。
日本では、モンテッソーリ教育を行う幼稚園や保育園は全国にありますが、小学校以降は、全国に数えるほどしか学校がないため、モンテッソーリ教育を行う幼稚園や保育園に通っていても、小学校入学後を心配する声も多いようですね。
モンテッソーリ教育に関するおすすめ本
0~3歳までの実践編 モンテッソーリ教育で才能をぐんぐん伸ばす!
著者は、4人の子育て経験と、モンテッソーリ教育を融合した子育てセミナーを日本全国で開催しており、外資系金融機関に20年勤務したという経歴の持ち主でもあります。
0~1歳、1~2歳、2~3歳の三段階に分けて、すぐに実践できるモンテッソーリ教育の方法がまとめられているので、0~3歳までのお子さんをお持ちの方はこの本を読んですぐにモンテッソーリ教育を自宅に取り入れることができます。
「実践版」というタイトルがついているだけあって、実践するにあたってつまづきやすそうなことについてわかりやすく説明されており、痒いところに手が届く内容になっています。
男子のなぜ?どうして?がスッキリ‼モンテッソーリ流「才能がぐんぐん伸びる男の子」の育て方
著者はモンテッソーリ育児アドバイザーで、モンテッソーリ教育で有名な学校に指導者として勤務していた神成美輝氏です。また、モンテッソーリ教育施設「吉祥寺こどもの家園長」である百枝義男氏が監修した本です。
この本では、特に男の子の子育てにおいてつかえるモンテッソーリ教育の考え方や具体的な声掛けや対処法がまとめられています。
私も男の子2人を育てているので、「なるほどな―!」と思いながら、読みました。
男の子が興奮しているときは「聞いてるよ」と伝えてあげる
と書かれていたので、ある日息子が興奮しているときに実践してみたところ「はっ」という顔をして、私の方をみて、落ち着きを取り戻しました。
男の子ママは参考になることがたくさん書かれているのでおすすめです。
自分でできる子が育つモンテッソーリの紙遊び
こちらは、先述の本の監修をされていた百枝義男氏と百枝知亜紀氏によって書かれた本です。
はさみや折り紙、とじ針などを使って、切ったり、縫ったり、編んだりと、3歳くらいの子供から取り組むことができるモンテッソーリの紙であそぶ活動ができる教材がまとめられています。
印刷して使用できるようになっています。モンテッソーリの園に通わなくても自宅でモンテッソーリの活動ができるようになっています。
親がすることは、「準備」「観察」「提示」と書かれています。
楽しそうな取り組みがたくさんあるので、息子が3歳頃になったら、一緒にやってみようと思います。
モンテッソーリの教具を購入するのはちょっと・・という方でも簡単に取り入れられるので、おすすめです。
まとめ
以上、モンテッソーリ教育の特徴やメリット・デメリット、モンテッソーリ教育を取り入れるのにおすすめの本を紹介しました。
モンテッソーリ教育についてどのようなイメージをもたれましたか?
私は、モンテッソーリ教育の考え方は、マリア・モンテッソーリが残した「子どもはすべてのことができるように生まれてくるのです。もしできないことがあるとすれば、物理的に不可能な環境にあるか、どうすればいいのか、やり方がわからないだけなのです」という言葉にすべて集約されていると感じました。
「敏感期」を知って、子どもを観察し、適切な環境を与え、必要以上に口出ししない。
なかなか日々の生活においては難しい場面もありますが、なるべく心がけていきたいですね。将来子どもたちが楽しく自分の人生を生きられるように頑張っていきたいですね。
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